生石高原「野鳥荘」
自然観察記録 2013年7月

1307127-28
  130727(土)晴れ
暑い日です。野鳥荘で気温30℃、日影で風があれば涼しいのですが、無風では流石にここでも暑い。
野鳥荘を名を付けたことが恥ずかしいほど『何もいない』野鳥荘です。
普段、餌を撒いているところは、地面が掘りこそされるまで食べつくされていました。
この夏は、継続的に餌を提供していないので、野鳥たちにも「餌場」ではなくなったのでしよう。ただ、山全体でも野鳥の少ない今季です。
最初にやって来たのがシジュウカラの若鳥。水浴びだけして帰ってしまった。次に来たのがヤマドリです。

シジュウカラ

ヤマドリ

巣箱を空けてみた
ヤマドリが来たのですが、尾羽は4節しかない。いつものヤマドリなのか?ならば尾羽の換羽中であろうか。はたまた、縄張りを奪った若造が来たのかもしれない。

この春、営巣した巣箱を空けてみた。
タップリと羽や藻で柔らかく作ってある。一方、見るからに細菌が繁殖しそうで『巣箱の清掃が必要』と言われる所以が理解できた。綺麗に洗い流し、天日でしっかり乾燥させて来年に備えよう。

散歩に出てみた。と言っても野鳥が目当てではない(それは諦めている)。

リョウブ

ヤマノイモ

タチドコロ

ノコンギク

クルマバナ

ウツギの実

いつも間にかオバユリが終わっていた

オカトラノオ

タケニグサ(全草毒)葉の形状はイチジクににている
日が陰ると一気に涼しくなった。
ただ、温度計を見ると体感気温ほど下がっていない。「山の冷気」とはなんであろうか?と、ふと思ってしまった。

野鳥の居ない野鳥荘ですが、日没前に30羽ほどの混群(エナガ・シジュウカラ・メジロ・コゲラ)がやって来た。ただ、誰も餌場には来ない、野鳥荘の木々で乱舞するばかりである。餌場を頼らないというのは、自然界でえさが豊富なのであろう。

私は10時ころに寝てしまった。最近は畑もあって「早寝早起き」になってしまった。


ヒグラシの声

ホトトギス
肌寒さで目が覚めた。
4:45であった。まだ、朝は開けきらぬ時間で、ヒグラシが盛んに鳴いていた。

早い朝食を済ませ、ベランダで、ホームページの整理をしていたら、野鳥荘にいろんな野鳥がやって来た。PCを打ち込んでいる私は「無害」に見えるらしく、ホンに近くまでやって来る。
 ・アオゲラ
 ・イカル
 ・カケス
 ・ヤマガラ
 ・カワラヒワ
 ・コゲラ
やっぱりバードテーブルには近づかない。
今日は、来週に控えた「親子キャンプ・自然観察会」のガイドの予行演習です。
私は歩いて生石高原へ向かいました。途中、鳴きながら飛ぶホトトギスを目で追い、止まったところを写しました。相当距離があったので、ホンの証拠写真です。
その間、家内は野鳥観察へ。オオルリやサンショウクイと出会ったそうです。


1307121(日)晴れ

暑い日でした!
生石高原を1周してから食事を済ませ「野鳥荘」へ向かいました。気温32℃、おまけに風が無い。パラソルを開き木陰で転寝でした。
野鳥はサッパリですが、蝉が森に浸みこむように鳴き出した。種類は分かりませんが、クマゼミのような無粋さはありません。是非「鳴き声」を聞入れ下さい。

リョウブの花(写真右)が咲き出しました。リョウブは生石では多数派の木で、今は白い花がいっぱいみられます。
午後の2時半、野鳥荘敷地で「ケケケ!」大きな怪鳥の叫び声がして飛び去った?(目撃できなかった)
カラスやカケスの声ではない。猛禽類とも違う。声の大きさから「大型の野鳥」の筈だが、何であろう。


130715-16
 130715(月)曇りのち雨
下界から生石を見たら「雲の中」であった。それでも昼に到着した時は、まだ雨は降っていなかった。
この日、下界の最高気温は32℃と、前日より涼しかったが、生石山頂では18℃、野鳥荘の最高気温も20℃であった。こうなると涼しさを通り越して肌寒く、重ね着となった。

例年、夏は野鳥が減るが、今年は特に少ない。幻の鳥を捜し歩いたが、きっと出会いは「偶然」しかないのだろう。この日も空振りに終わり、私は
 「芽にも負けず」
 「寒さにも負けず」
パラソルの下で、重ね着をして呑みだした。

家内は、再挑戦に出かけて一人酒である。時刻は16時、なんとヤマドリがやって来た。これが呼び水で、カワラヒワ・ヤマガラ・シジュウカラの群れ・ヒガラの大きな群れ・エナガの群れ・コゲラなどで全く賑やかであった。
お山の時間は早い、この日も9時半に就寝。谷中差に寒さで目が覚め、毛布だけではなく蒲団も掛けた
 130716(火)晴れ
5時半に起床、窓の外ではヤマドリが食事中であった。
「幻の野鳥」と出会うには早朝がチャンスと思い、急いで出かけた。目標ポイントは前回と同じで、やや範囲を広げたがやっぱりカラ振りであった。

野鳥荘へ帰り朝食。
その後PCで写真を整理しようと始めたら、ホンに近くでカッコウが鳴き出した。まるでそれに合わすようにウグイスも鳴き出した。更にはシジュウカラが唱和し、久々に「綺麗な音」である。これを録音しようと、カメラの動画機能を押したら「ディスクが入っていません」と表示が出た。そうなんや!ディスクはPCのスロットに入ったままであった。

昨日と打って変わり、午後からは温度が上がりだし、最高気温は30℃までいった。それでも風があれば涼しいのですが、あいにく「無風」である。パラソルの陰とはいえ、流石に暑かった。
この時間、家内は昼寝をしてしまった(室内は涼しい)。私は〜暑さも野鳥荘〜とベランダで頑張っていたら、14時にヤマドリがやって来た。上から見ているのは承知しているはずが、悠然と食事タイム。なんと30分の滞在であった。昨日同様、これが呼び水で次々と野鳥がやって来たが、今日も、家内はこのざわめきを知らないままであった。

この日、2度目のヤマドリ(手摺の隙間から撮影)
二日間で出会ったり声を聴いた野鳥は
 ・カッコウ
 ・ホトトギス
 ・ヤマドリ
 ・ヤマガラ親子
 ・シジュウカラ親子
 ・ヒガラ親子
 ・カワラヒワ親子
 ・クロツグミ親子
 ・イカル(なぜか生石では1年中いる)
 ・オオルリ幼鳥
 ・エナガ親子
 ・ヒヨドリ
 ・キジバト親子
 ・コゲラ
 ・アオゲラ
 ・アカゲラ
 ・カラス(種類不明)
 ・カケス
 ・ホオジロ親子
 ・ウグイス
季節柄、幼鳥を見る機会が多いです。
前回から野鳥荘で写しているヤマドリの尾羽ですが、何度数えてみても6節しかない。その前に、バードテーブルへ置き忘れた尾羽は12節ある。さて、同じヤマドリだろか?ヤマドリは繁殖以外でも縄張りを持つので、違うヤマドリやって来るとは考えづらい。なんやろか?
それでは最後になりますが、野鳥荘の周りの植物を紹介します。

アケビが大きくなってきました

タチドコロ?の花。小さな花ですがとても綺麗です

アカメガシワが全開!
野鳥の声より、この花に集まる羽音の方がずっと大きい

リョウブの蕾
既に咲いているのもあるが、まだ全開ではない

マルバマンネングサ

実はウツギに似ているが葉が違う。なんだろう?


130714(日)晴れ
NPOの野草観察会を済ませて、野鳥荘へ参りました。下界の暑さとは別世界で気温は27℃、涼しい風が吹きまことに快適です!

幻の野鳥の声は聴いていたのですが、昨日、野鳥の会メンバー2名による「目撃」したそうです。
私たちも1時間ほど目撃場所を歩いてみたのですが、出会うことは出来ませんでした。でも、この時期の目撃は、営巣の可能性を高めています。きっと出会えると思っています。

ホオジロの幼鳥

おそらくオオルリの幼鳥

ヤマガラの幼鳥
野鳥荘では餌を置くことを止めています。
餌のない野鳥荘には、まるで野鳥がやって来ません。今年は虫が多く、自然界に餌がたっぷりあるので、バードテーブルへやってくる必要はありません。ちょっと寂しいですが、これが自然ですから…

コオニユリの蕾

ナンテン


130703-04
 130703(水)風雨強し
どうやら、梅雨明け前によくある「嵐」が来るらしい。
まだ、野鳥荘でそんな経験がないので、ためしにやって来た。
今は(16時/写真右も)、まだ霧雨が強風に舞うと言ったところだか、確実に風雨は強まってきている。気温21℃湿度89%蒸し暑いはずなのに「肌寒く」重ね着をしている。

霧の日は野鳥との出会いが多いが、風が強いので「思惑外れ」である。
それでも、イソヒヨドリ(中腹で)・ヤマガラ・シジュウカラ・エナガ・コゲラ・カケスと出会った。
幻の鳥は根気よく探すしかない。どうかな…

幻の鳥を探しながら写した植物です。季節柄「アジサイ」が多いです。美しいけれど不自然さはぬぐえない。
アジサイは土壌のペーハーで色が変わるそうですが、それだけでは説明がつかないほど多彩ですね!

実がなっているので花が咲いたはずだが…?

ホタルブクロ

クサイチゴ(木苺属)結構甘かった

コガクウツギの実

アケビに実がついた

 130704(木)雨強し
一晩中「嵐」であったが、3時半ごろに一旦小康となった。まだ外は暗いのに、キビタキやクロツグミの綺麗な声が聞こえてきた。ようやく明るくなった6時半、尾羽が1本しかないヤマドリがやって来た。無事で良かったと胸をなでおろす。勿論、落して行ったもう1本の尾羽は大切に預かっています。

午前中だけで3度やって来たヤマドリ
昨日は嵐模様で給餌が出来なったのか、よほどお腹がすいていたみたい
7時半。再び風雨が強まってきた。こんな日は「野鳥荘害意や」とばかり、またヤマドリがやってきたり、カケスも来ている。

晴れ間にテーブルを出し、野鳥の声をアテにして
ビールを飲みながら読書。これが昼食となった
実は、今ある餌が「最後の餌」なのです。自動給餌を停止したので、次の冬まで餌はありません。今のうちにしっかり食べておいてください。

天候は晴れたと思ったら突然ガスが掛かったりする不安定さです。それでも、和歌山県下に出ていた警報はすべて解除になったそうなので、回復に向かうだろう。
今日が最後と知ってか?ヤマドリは午前中だけで3度来た。
ヒワの仲間は「群れで行動」する。時にマヒワは数百単位にもなるという。野鳥荘へやって来るカワラヒワは数十羽ですが、家内が見た最高は「50羽くらい」だそうです。厚かましいくせに人馴れしない野鳥です。他の野鳥を追い払う困り者ですが、代わりに私が姿を見せれば逃げる。
その隙に幼鳥たちがやって来る。オオルリ・キビタキ・ヤマガラ・シジュウカラの幼鳥である。ウグイスやカッコウの鳴き声も聞こえる。甲高い声で鳴くのはヒヨドリで、ホオジロの声も時折混じる。

オオルリ(雄)幼鳥

カワラヒワ幼鳥

カケス

キジバト

ヤマガラ幼鳥
アオゲラは、6月22日ノ野鳥ノ会による観察を最後に確認できなくなっている。私たちはその時、北海道へ旅行しており、生石へ来たのは6月30日であった。その時はもう姿を見せることは無かった。

6月22日に、野鳥の会が「幻の鳥」の声を確認した。
私たちが「何の声やろ」と不思議に思っていたものである。旅行から帰ってからは声は聴いてはいない。幻の鳥の習性から言えば、鳴くのは「抱卵前の2週間だけ」だそうな。巣は地面にアリ塚のように作る。まず、営巣地を見つけるのは困難である。予想通りなら今は抱卵中で、まもなく雛が孵る頃だ。そうなれば餌を運び必要があり、出会えるチャンスも生まれて来よう。
      野鳥写真は全て家内が撮影したものです











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